あんしん財団による若手アーティスト支援企画展第3期がスタートしました
中小企業の働く人・環境を支えている一般財団法人 あんしん財団が、2022年8月に新宿のミライナタワーに新しくオフィスを移転。財団は災害防止活動を促進し、福利厚生事業を実施し、中小企業の健全な発展と福祉の増進に寄与することを目的に、さまざまな中小企業が安心して働ける労働環境づくりを展開するほか、未来につながる社会貢献活動を行っている。
このプロジェクトは、オフィス空間でのアート企画展を通じて職員のウェルビーング向上を目指すと共に、若手アーティストに発表の機会を提供していくことが目的である。
3期目となった今回は、エントランスに長谷川彩織による絵画作品が、役員会議室に井上絢子の油彩作品が、職員エントランスには池田衆のフォトコラージュ作品が展示された。新たに追加展示箇所となったエントランスのロビーには、初の彫刻作品として大井真希の陶作品が展示される運びとなった。今期は「SDGs」をテーマに、全作品の選定を、あんしん財団職員の方々が主体的に行った。アートプレイスは優良な若手アーティストの作品を紹介し、作品のキュレーションをサポートし、選定作品の展示までをマネジメントした。
Works 作品
絵画作品《 迷子の風景 No.178 》|メインエントランス
エントランス空間には、「迷子の風景」をテーマに一貫して作品を描き続けている長谷川の絵画作品が選ばれた。植物と写真に撮った風景を同じ画面に構成し、気にも留められないような日常風景の制作を心掛けている。都市や街の人工的な質感と、ひっそりと生きている植物との構成と対比で織りなす私たちの日常をも想起させる。
《迷子の風景 No.178》
2023
キャンバスにアクリル絵具
1,620×2,606mm (F100×2)
絵画作品《向こうでみえたら暗い》《奥帰り(限りない)》《あるかないかは》|役員会議室
井上は油彩絵具が溶け込むような表現により、うつろう日常の風景を描き続ける。画布に置いた絵の具が乾く前に伸ばす技法により、茫洋とした独特の色彩世界をつくりだす。背景色との重なり合いから浮かび上がる、明確な輪郭を持たせないモチーフに、揺らぐ感情や情景を投影し、木漏れ日や光を感じさせながらも自他の境界やものの在り方について考察する。
《向こうで見えたら暗い》
2020
キャンバスに油彩
606×727mm(F20号)
《奥帰り(限りない)》
2019
キャンバスに油彩
910×910mm(S30号)
《あるかないかは》
2022
キャンバスに油彩
606×803mm(P25号)
写真作品《a faint smell of memory》|職員エントランス
自然や都市風景を主なモチーフとし、自身が撮影した写真を切り抜き、コラージュする手法を用いて、絵画と写真のあいだを行き交う作品を発表している。植物や水面の自然風景を題材にした本作は、葉の葉脈や花びらが一枚一枚繊細に切り抜かれ、木漏れ日のような光の陰影を創り出している。
《a faint smell of memory》
2009
紙に写真, フォトコラージュ
890×1,190mm
陶作品《Flowing Shape -I》|エントランス踊り場
大井は、故郷である富山県八尾町の伝統行事、“おわら風の盆” をテーマとし、その踊りのゆったりとした「所作」を作品のフォルムに取り込む。自身が見た地元の風景・土地の文化を絶やすことのないように、陶という伝統的な素材に向き合いつつ、新たな表現を模索し続けている。
《Flowing Shape -I 》
2021
陶
H500×W340×D350mm
事業主 | 一般財団法人 あんしん財団 |
所在地 | 東京都新宿区新宿4-1-6 JR新宿ミライナタワー21F |
設計デザイン | 株式会社イトーキ |
アーティスト | 長谷川彩織, 井上絢子, 池田衆, 大井真希 |
協力 | gallery UG(長谷川作品), MAKI FINE ARTS(池田作品) |
撮影 | ArtPlace Inc. |
アートディレクション | ArtPlace Inc. |