あんしん財団の若手アーティスト支援企画展2期が展開
中小企業の働く人・環境を支えている一般財団法人あんしん財団が、昨夏、新宿のミライナタワーに新しくオフィスを移転。財団は災害防止活動を促進し、福利厚生事業を実施し、中小企業の健全な発展と福祉の増進に寄与することを目的に、さまざまな中小企業が安心して働ける労働環境づくりを展開するほか、未来につながる社会貢献活動をおこなっている。
このプロジェクトは、オフィス空間でのアート企画展を通じて職員のウェルビーング向上を目指すと共に、若手アーティストに発表の機会を提供していくことが目的である。
2期目となった今回は、エントランスに藤井智子さんの絵画作品が、役員会議室に藤崎了一さんの写真作品が、そして新たに追加展示箇所となった職員エントランスにホリグチシンゴさんの絵画作品が展示される運びとなった。すべての作品選定を、あんしん財団が主体的に行い、アートプレイスは優良な若手アーティストの作品を紹介し、アート鑑賞ツアーの実施や、プロジェクトのマネジメントを行うなど、財団の要望をサポートした。3名の作品は2024年3月まで展示する予定。その後に第3回目の企画展の実施が予定されている。
Works 作品
平面作品《Underwater walk #3》 |エントランス
なめらかな曲線的空間に設計されたエントランス空間には、風の流れや地上と土中の大気の循環、人と自然の関わりをテーマに制作する、藤井の抽象絵画が選ばれた。水彩、油彩、天然顔料や膠など異なる多様な素材を用いて、カンバスの上で縦横無尽に動かすことで、絵具が変化していく形と、軽やかな色合いが生まれる。みずみずしいその痕跡が空間に新鮮な印象をつくり出す。
《Underwater walk #3》
2021
キャンバスに油彩, 水彩絵具, 岩絵具
970×3240mm (M100×2)
写真作品《colored oil _#011》 《colored oil _green line》 《colored oil _#103》|役員会議室
藤崎の写真作品は、水性と油性の物理的に干渉し合う様子をマクロ撮影し、水性と油性のインクがお互いに揺れ動きながらその輪郭の一瞬の表情を描き出す。ミクロな世界で液体の粒子が混じり合う瞬間を切り取った3作品は、人為と自然の融合が生み出す蠱惑的(こわくてき)世界感を有し、会議室を利用する人々の想像力を刺激していく。
《colored oil _#011》
2015
archival pigment print
788×1185mm
《colored oil _green line》
2015
archival pigment print
731×1100mm
《colored oil _#103》
2020
archival pigment print
792×1192mm
絵画作品《イェロースニッパー》|職員エントランス
ホリグチは、描き溜めた落書きや建築物のような構造を組み合わせてイメージを設計する。日本画材の制作方法に則って、描く過程を積層的に重ね続ける表現を用いている。作品の要素やモチーフそのものを言い当てる言葉が、出てきそうで出てこないもどかしさを感じさせるイメージの世界を追求している。
2021
キャンバス, 膠, 乾性油, 顔料
1000×803mm(F40)
事業主 | 一般財団法人 あんしん財団 |
所在地 | 東京都新宿区新宿4-1-6 JR新宿ミライナタワー21F |
設計デザイン | 株式会社イトーキ |
アーティスト | 藤井智子、藤崎了一、ホリグチシンゴ |
協力 | KANA KAWANISHI GALLERY(藤崎作品) |
撮影 | ArtPlace Inc. |
アートディレクション | ArtPlace Inc. |