歴史と自然が息づく登録有形文化財建造物 旧九段会館に、新たな価値を与えつつ、未来へと記憶をつなげるアートワークを展開しました
Task プロジェクトの課題
1934年に完成した旧九段会館は、「帝冠様式」と呼ばれる外観的特徴を備え、⻑く九段下の景観を形成してきた。その建造物を保存しながら、新たな価値を生み出すビジネス拠点としてリニューアルした施設の中に、旧九段会館の記憶を残しつつ、新しい未来へ飛躍していく場であることを象徴するようなアートワークが求められた。
Solution アートプレイスの提案
ビジネスエアポート九段下の地下1Fの食堂兼執務スペースと1F通路に、旧九段会館を取り壊す際に保存した遺物を用いてアートワークを制作した。ビジネスエアポート九段下という新しいシェアオフィスにおいて、旧九段会館の名残を生かした作品を展開し、歴史的建築物である旧九段会館の遺跡の存在と、建築周辺の豊かな自然の風景を織り交ぜながら、重厚な歴史の蓄積を引き継ぎ、未来へとつなげることをコンセプトとした。
地下1Fの《記憶の再構築》と題した絵画作品は、九段下に息づく自然との共生を伝えるための開かれた窓のようなアートワークとなることを願い、旧九段会館のステンドグラスの形を踏襲し、作品の構図をつくり上げた。絵画的な抽象的な形態は、様々な遺物から発展させた形であり、年代を重ねたタイルの粉を絵具に混ぜて重厚なマチエールを作っていった。
1F通路には彫刻作品を織り交ぜた《断片のコレクション》と題したレリーフ作品を展開し、実際の遺物と作家が創作した立体造形を組み合わせて、博物館で展示される「標本箱」の様な演出を施した。
Works 作品
絵画作品《記憶の再構築》|地下1F
遺物のステンドガラスの美しい配色や、スクラッチタイルの温かみのある手触りなど、名残のかけら/遺物をモチーフに、多層な歴史と共に、九段下を行き交う人々と動植物が共生する姿を織り交ぜながら、未来への予感を表現した平面作品に仕上げた。忘れ難い記憶を引き継ぎ、窓に映るお濠に広がる自然と調和した空間を創出した。
《記憶の再構築》
2022
H1,313×W4,917mm
アクリル絵具, 旧九段会館の遺物の破片, キャンバス, 木製パネル
レリーフ作品《断片のコレクション》|1F通路
標本箱のような作品には、波打つタイルや割れた碇のように見える装飾物。輝く1番星に向かい進む赤と緑の船。流れ着いた無人島で拾い集められた破片の集積とたとえ、遺物から新たな物語を想像させる。航海を続ける船に見立て、九段会館テラスの歴史のゆく手に広がる未来への船出を表し、彫刻作品を織り交ぜたレリーフ作品を配した。
《断片のコレクション》
2022
H1,000×W803mm (F40)
旧九段会館の遺物の破片, アクリル絵具, 粘土, 板, 木製パネル
事業主 | 東急不動産株式会社 |
所在地 | 東京都千代田区九段南1-6-5九段会館テラス1F・B1F |
設計デザイン | SIGNAL Inc. |
アーティスト | 野原万里絵 |
写真提供 | 加藤甫 |
店舗名 | ビジネスエアポート九段下 |
詳細リンク | https://business-airport.net/shop/kudanshita/ |