ウェルビーイングな働く環境づくりの場に、企業理念や歴史を紐解くアートワークをおさめました。
Task プロジェクトの課題
株式会社イトーキは「明日の《働く》をデザインする。」をミッションに、「ABW」(社員に裁量を与えて働き方を選択させるActivity Based Working)を推進し、働く「空間」「環境」「場」づくりを提案することを掲げている。ITOKI TOKYO XORKのリニューアルにともない、新しい価値創造への扉をひらく鍵として、アートをオフィス空間へ入れることにより、柔軟で独創的な空間づくりが求められた。
Solution アートプレイスの提案
企業理念に基づいたアートコンセプトを導き出し、企業の歴史や事業内容を読み解ける、創造的な場づくりを試みた。12Fフロアには企業の設立記念日をモチーフにした山本努のレリーフ作品と、11F-13Fにわたる階段吹抜けには、山崎由紀子による3層分の壁画作品を配し、ワーカーの誰もが出社したくなる魅力的なオフィス空間づくりをめざした。
Works 作品
レリーフ作品《cosmic net》|12Fフロア
「活動を紡ぎ、働く場を編む」ことをコンセプトとした山本の作品は、イトーキの創立記念日である1890年12月1日の零時を迎えた瞬間に、まさにこの壁面の方角に見えた星々を結んだ創業時の天体図がフォルムになっている。星々をつなげネットのように編むこと、そこから生じる現象について考え、「働く」を基とした人々の活動を繋ぐ空間をデザインし、未来へと働く場に活力を紡ぎ続けるイトーキの姿に対し、オフィス壁面に、天体の結びつきとその広がりとを重ねて表現した。
《cosmic net》
2022
FRP, Urethane coating
875×2000×170mm
作家コンセプト|リンク
https://www.artplace.co.jp/information/yamamototsutomu/
壁画 《ビオトープ》|11-13F 階段吹き抜け壁面
作品タイトル《ビオトープ》とは、ギリシャ語 βiοs BIOS 「人生」と τοποs トポス TOPOS 「位置」の合成語。
会社全体が大切にしている「チームワーク」や「連帯感」、「他者からの学び」という考えから着想を得た山崎は、《ビオトープ》をキーワードに、オフィスをワーカーが働く「生物群集」に置換することで、ひとつの生態系として捉えた。11F〜13Fにかけての3層吹き抜け階段の壁面には、「ビオトープ」に欠かせない環境要素である「水」「木」が、それらをつなぐように「人の手」が記号化されて描かれている。
自然界の「ビオトープ」のように、気分をリフレッシュさせるオフィス環境をつくりだし、ワーカーたちに「共生」の大切さを伝えてゆく。
《ビオトープ》/ Biotope
2022
水性塗料
作家コンセプト|リンク
https://www.artplace.co.jp/information/yamasakiyukiko/
事業主 | 株式会社イトーキ |
所在地 | 東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋高島屋三井ビルディング11F-13F |
設計デザイン | 株式会社イトーキ |
アーティスト | 山本努、山崎由紀子 |
撮影 | 加藤甫 |